平成29年2月18日に歯科スタディーグループあすなろ会が開催
平成29年2月18日に歯科スタディーグループあすなろ会が開催されました
下記の要綱での開催となりました
大変、有意義な勉強会でした
感謝です
骨の再生医療について-最新の知見を交えて―
[日程] 平成29年2月18日土曜日
[講演時間] 午後6時から 午後8時30分まで
[講演会場] 「広島エソール2階」県歯科医師会館となり
[懇親会場] 場所を選定中です。午後8時40分より
[講師] 各務秀明 松本歯科大学歯学部 口腔顎顔面外科学講座、
東京大学医科学研究所附属病院 先端診療部
[講演会費] 歯科医師5000円 スタッフ1000円
[懇親会費] 歯科医師5000円 スタッフ5000円
講演内容
【講演テーマ】
骨の再生医療について-最新の知見を交えて-
【講演内容】
各務秀明 松本歯科大学歯学部 口腔顎顔面外科学講座、
東京大学医科学研究所附属病院 先端診療部
再生医療とは、失われた組織や臓器を、人工物や移植ではなく「再生」によって修復する新たな医療です。特に、細胞や細胞を支える生体吸収性の担体、そして増殖因子などを用いることで組織再生を目指す方法はティッシュエンジニアリングと呼ばれていて、骨再生医療の重要な手段となっています。再生医療というとハードルが高い印象があるかもしれませんが、実は歯科においては歯周病に対するGTR治療や人工骨による骨再生治療など、他の医学分野よりも早期から再生医療の臨床応用が行われているのです。インプラント治療を行っている臨床医にとっては、歯槽骨の萎縮による骨量や骨高径、骨幅の不足が大きな問題です。当初盛んに行われていた腸骨などからの大規模な骨移植は、最近では侵襲の大きさや人工材料の発展によってあまり行われなくなってきました。その一方で、新たな材料がつぎつぎと開発されたり、巷のニュースでも幹細胞を用いた再生医療のニュースが流れたりと、さまざまな方法や情報が交錯し、一般の臨床医にとって理解ににくくなっていることも事実です。そこで、本講演ではまず再生医療の基礎となる考え方についてご紹介します。どのような考えや生物学に基づいて再生医療が行われているのかを、幹細胞についての話を含めてわかりやすく解説してみたいと思います。次に、現在行われている様々な骨再生治療の方法や材料の特性、臨床症例などについてもご紹介する予定です。最後に、われわれが取り組んできた幹細胞を用いた再生医療についても触れたいと思います。細胞を用いた再生医療となると日常臨床から隔たった印象もありますが、新たな法令である再生医療等安全確保法では、多血小板血漿(PRP)やPRFを用いた医療をも細胞を用いた再生医療に含めており、一般の歯科開業医にとっても細胞を用いた再生医療はむしろ身近なものとなりつつあります。細胞を用いた再生医療とはどのようなものか、細胞を用いることでどのようなメリットがあるのか、これまでわかってきたことについてお話ししたいと思います。特に、再生医療等安全確保法の下での再生医療について、PRPやPRFの実例や、実際に自分の携わってきた認定・再生医療等委員会での議論などを通じて、歯科医として知っておくべき再生医療の法制度や実践についてのご理解が深まればと考えています。現在インプラント治療を実践しておられる臨床家、骨再生に取り組んでおられる先生がたのみならず、今後骨再生治療や歯周組織の再生治療に取り組んでみたいと思っておられる先生方に、是非聞いていただければと思います
【講師プロフィール】
各務 秀明 平成28年12月26日現在
昭和63年3月 広島大学歯学部歯学科卒業
平成 3年9月 名古屋大学大学院医学系研究科博士課程修了(医学博士)
平成3年9月 名古屋大学医学部附属病院歯科口腔外科医員
平成4年4月 名古屋大学医学部附属病院歯科口腔外科助手
平成7年11月 NIH, NIDCR, Gene Therapy and Therapeutics Branch
~平成8年12月 (文部省在外研究員)
平成11年6月 名古屋大学医学部附属病院歯科口腔外科講師
平成11年12月 University of Texas Southwestern Medical Center,
~平成13年12月 Department of Molecular Biology (JDRF fellow)
平成14年6月 名古屋大学医学部組織工学(J-TEC)寄附講座客員助教授
平成15年4月 名古屋大学医学部組織工学(日立メディコ)寄附講座助教授
平成18年4月 東京大学医科学研究所 幹細胞組織医工学寄付研究部門 客員助教授
平成20年7月 東京大学医科学研究所 先端医療研究センター 分子療法分野
特任准教授および附属病院 先端診療部 骨再生診療科
平成23年4月より 松本歯科大学 口腔顎顔面外科学講座 教授
平成27年6月より 東京大学医科学研究所 客員教授
・第3回日本再生医療学会優秀演題賞,
・The Third International Symposium on Salivary Glands in Honor of Niels Stensen
・日本生物工学会生物工学論文賞,
・Outstanding Paper Award of 2007 (Journal of Chemical Engineering of Japan)
・2009年日本人工臓器学会論文賞
所属学会:International Society for Stem Cell Research, Tissue Engineering Society International, 日本再生医療学会(評議員,認定医)、老年歯科医学会(評議員)、日本口腔外科学会(指導医)、日本顎顔面インプラント学会(指導医)、